時間の分配が均等化されていない点が、スウェーデンと異なる点である。 また、スウェーデンとアメリカの女性は、他の国と比較するとき、女性の男性への経済的依存度が低いことが指摘される。アメリカでは女性の多くが独自の所得を持たず、完全に男性に依存しているにもかかわらず、反面完全に独立している(男性と同じか、男性よりも高い経済力)女性の割合も高いことによるものである。 出生率とそのパターン: 家族政策などの背景は異なるにしても、労働市場における男女平等はスウェーデンをはじめとする北欧諸国とアメリカで進んでいることが明らかである。出生率をみると、スウェーデンとアメリカはほぼ同じレベルで他の国よりも高いことが指摘される。 スウェーデンの女性一人当たりの子ども数をみると、1900年代平均して2人を維持している。ただ、1990年代半ばから出生率は低下し始め96年9月には1.57を記録するにいたり80年代初期と同じレベルにある(Andersson,1996)。しかし、ほとんどのヨーロッパ諸国では長期にわたり、スウェーデンの出生率を下回り、イタリアやスペインでは1.3を記録し、人口の再生産にはほど遠いことが指摘される。 アメリカとスウェーデンの出生率がほぼ同じレベルにあるにもかかわらず、出産年齢による出生パターンをみると根本的に異なることが明白である(図17)。アメリ 図17 母親の年齢階級別・出生児数の国際比較(ドイツ、日本、スウェーデン、イギリス、アメリカ)
出所:Wennemo 1996 p.218
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